〜第5回〜GIGAスクール構想 第2期:MacとiPadで完成する「学びのプラットフォーム」

第1回から第4回までは、Macを中心に「校務効率化」「環境整備」「Windowsとの共存」「MDM管理」と、ICTを安心して使える土台づくりについてお伝えしてきました。
本コラムの最終回では、GIGAスクール構想 第2期が目指す方向性を踏まえながら、MacとiPadが共に揃った環境がもたらす「学びのプラットフォーム」の姿についてお話します。
〜第5回〜目次
③「個別最適な学び」と「協働的な学び」をAppleで実現する
①GIGA第1期から第2期へ 〜「使う」から「活かす」へ〜
GIGAスクール構想の第1期(2019年〜)は、「1人1台端末」の実現が最大の目標でした。
その成果として、多くの学校でiPadが日常的に使われることになりました。
そして今、第2期(2024年〜)が始まっています。
第2期のキーワードは「活用の高度化」です。
文部科学省が示す方向性は、以下のようなものです。
| 【GIGA第2期で重視されること】 ・端末の更新と高性能化 ・クラウドを前提とした運用 ・校務DXの推進 ・セキュリティ教科 ・生成AIの活用 ・個別最適な学びと協働的な学びの一体的な実現 |
つまり、第2期は「端末があること」は当たり前で、そこから「どう活用していくか」が問われる段階です。
●MacとiPadを活用し「学びのプラットフォーム」をつくる
これこそが、今回のコラムの核心です。
②MacとiPadが揃うと、学校はどう変わるか

具体的な「学校の一日」を想像してみましょう。MacとiPadが揃った環境では、どんなことができるでしょうか。
●朝の準備
・先生は職員室でMacを開き、その日の授業プリントを作成。AirDropで生徒のiPadへ一斉配布
・Spotlightで昨日の授業記録をすぐに呼び出し、板書計画に追記。印刷もAirPrintで手間なし
●授業中
・先生はMacから資料を電子黒板に移しながら、手元のiPadでClassroomアプリを起動
・生徒全員の進捗をリアルタイムで確認しながら、つまづいている子をすばやくサポート
・生徒はiPadとApplePencilで考えをまとめ、グループで共有。意見をKeynoteにまとめて発表
●放課後・次の授業の準備
・iPadで撮影した活動写真をAirDropでMacに受け取り、学級通信に反映
・iMovieで学習記録の動画を編集し、学期末の振り返りムービーを作成
・校務はMacで効率よく進めて、子どもたちと向き合う時間を増やす
この一日の例に特別なソフトは登場していません。
Appleのエコシステムだからこそ、端末の間をシームレスに行き来できます。
※ Appleエコシステム=iPhone・Mac・iPadなどApple製品同士が自動で連携し合う仕組みのこと
「iPadは表現と学びのツール、Macは設計と管理のツール」
このような役割分担によって、教室全体の学びがよりスムーズになります。
③「個別最適な学び」と「協働的な学び」をAppleで実現する
GIGA第2期が掲げる「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な実現。この2つを同時に支えられるのが、AppleエコシステムとMac×iPadの組み合わせです。
●個別最適な学びを支える仕組み
・アクセシビリティ機能:読み上げ・音声入力・文字拡大が標準搭載。すべての子どもにとっての「学びやすさ」を底上げします。
・共有iPad:1台を複数の生徒で使い分けられる機能。自分のIDでログインすれば、どの端末でも自分の学習データにアクセスできます。
・学習アプリとMDMの連携:第4回でお伝えしたMDMを活用し、学年・クラスごとに最適なアプリや環境を設定。各自のペースで学べる環境を整えます。
●協働的な学びを支える仕組み
・Classroomアプリ:先生が生徒の画面を一括確認・制御できるため、同じアプリを開いて一緒に考える場を作れます。
・共同編集:クラウドを介したKeynoteやPagesの共同制作で、みんなで1つのプロジェクトを仕上げられます。
・発表とミラーリング:iPadをAirPlayで電子黒板に映し、手書きしながらリアルタイムで発表。「見せる学び」が日常になります。
④生成AIと第2期 〜「禁止」ではなく「活用」へ〜
GIGAスクール第2期の新たなテーマ、それが「生成AIとどう向き合うか」です。
多くの学校で「使わせてよいのか」「どこまで許可するか」という議論が続いています。
ここで第4回のMDMの話が生きてきます。
・利用できるツールの管理:MDMを使えば、学校が許可したAIツールのみを端末上で使うように設定できます。「設計された活用」が可能になります。
・学年ごとの制御:低学年には制限を強く、高学年では段階的に自由度を広げるという柔軟な運用も可能です。
・AIの出力を「考える素材」として使う:iPadで生成した文章や画像を、Macでさらに編集、考察するという学習ステップが作れます。
「禁止するか、使わせるか」という2択ではなく、「安全な環境を設計した上で、学びに活かす」という第3の道がここにあります。MacとiPad、そしてMDMが揃った環境は、その設計を支えています。
⑤理想的な「学びのプラットフォーム」とは何か

「プラットフォーム」とは、何かが起動する「土台」のことです。
MacとiPadが揃った教育環境は、単に「ICTツールが充実した状態」ではありません。
| 先生が思い描いた授業を形にできる。子どもが自分の言葉で考えを表現できる。 学びの記録が積み重なり、次の学びにつながる。そのような「学びが起動する土台」が整った状態―――それが『学びのプラットフォーム』ではないでしょうか。 |
第1回では「Macで校務を効率化しよう」という話から始まりました。
しかし、その先に見えてきたのは、効率化だけが目的ではなく、子どもたちの学びをより豊かにするための「余白」と「環境」を作ることでした。
MacとiPadは、その環境を支える両輪になります。
まとめ
5回にわたってお伝えしてきた「Macで校務を効率化」シリーズのまとめです。
・GIGA 第2期は、「端末の更新」だけでなく「活用の高度化」がテーマ
・Mac × iPad の組み合わせが、授業と校務をシームレスにつなぐ
・個別最適な学びと協働的な学びを、Appleエコシステムが一体的に支える
・MDMは「制限する」ためではなく「安全に活用する環境を設計する」ための仕組み
・校務の効率化で生まれた時間が、子どもたちと向き合う時間を増やす可能性につながる
加賀ソルネットは、MacやiPadの導入・MDM設計・運用サポートまでを一気通貫でお手伝いします。「まず何から始めればいいか分からない」という段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。
端末を揃えることがゴールではなく、それを使って何を実現するかが本当のスタートです。
みなさんの学校の「学びのプラットフォーム」を、ぜひ一緒に設計させてください。
コラムを読んでいただき、ありがとうございました。