【Macで校務を効率化】~第1回~教育現場の課題と導入意義

文部科学省のGIGAスクール構想により、多くの学校で「児童・生徒1人1台端末環境」が整いました。
現在はiPadを活用する授業が一般的となり、ICT活用も大きく前進しています。
しかし、一方で
「児童・生徒が授業で使う端末はiPad、先生が校務で使う端末はWindows」
という組み合わせが多く、日々の運用において、現場ではちょっとした手間やタイムロスにつながることがありました。
そこで近年注目されているのが、
「授業用iPadとあわせて、校務端末にMacを取り入れる」
という選択です。
本コラム第1回では、教育現場でよく聞かれるお悩みと、Mac導入による校務の効率化の可能性についてご紹介します。
(※シリーズは“複数回”で掲載予定です)
〜第1回〜目次
①現場の課題:授業端末iPadと校務端末Windowsの間にあるお悩み
①学校現場の課題:授業端末iPadと校務端末Windowsの間にあるお悩み
多くの学校では、児童・生徒または教員が授業で利用する端末はiPad、教員が校務作業にて利用する端末はWindowsという構成が一般的です。
どちらの端末も教育現場で活躍しますが、「仕様の違い」や「運用の特性」から、次のようなちょっとした負担が起きることがあります。
【iPad×Windows構成でよく聞かれる声】
●表示や操作の違いによる調整の手間
校務で扱う資料や、授業で配布するプリントなどを作成する際、異なるOS間でファイルを扱うと、表示やフォントの見え方などが変わる場合があります。
- ・職員室のWindows機で作った資料を、授業ではiPadで表示・配布したい。
- ・画面で見たときと、紙に印刷したときのレイアウトを事前に確認しておきたい。
●ファイルや教材データの共有方法で発生する手間
iPadとWindowsの間でデータをやりとりする際、共有フォルダやサーバー、USBメモリの使用など、学校ごとに様々な運用ルールがあります。
・iPadで作成・収集したデータを校務端末で扱いたい
・職員室で作った資料を授業用iPadで参照したい
といった時、データを移動・共有するのにタイムロスが発生しがちです。
●校務端末の持ち出しに関する運用
校務端末には成績情報や個人情報などの機密データが多く保存されています。そのため学校組織では
・職員室外への持ち出しを制限する(教室では使えない等)
といった運用をされていることが多いです。
これらは、情報漏洩を防いだり、セキュリティポリシーを守るうえで大切な取り組みです。一方で
・校内の限られた時間と場所の中で校務を進めないといけない
といった声も聞かれます。

「iPad×Windows」という組み合わせに問題があるわけではありません。しかし、これらのちょっとした手間を解消することで、校務がより効率化される可能性はあります。
そこで「Mac」の登場です!
②校務端末に「Mac」を取り入れよう
Macは授業でiPadを活用している学校現場にとって、まさに“ベストパートナー”となる校務端末です。特に、iPadとMacの組み合わせならではの強みが校務の効率化を一気に加速させるでしょう。
【Mac導入で解決できるポイント】
●iPadとの表示・操作の統一感で、調整作業を軽減
MacとiPadは同じApple製品同士。
フォントや表示の雰囲気、端末の操作感、各アプリの表示形式
といった部分で、iPadとの統一感が高いのが特徴です。
●AirDropやiCloud Driveなどによるスムーズなファイル共有
作成した資料や教材は、AirDropで数秒でiPadへ転送可能。
職員室でも教室でも簡単に同じファイルにアクセスできるため、授業や会議の前に焦ることはありません。
※ AirDropやiCloud Driveの使用については、自治体や学校の判断に基づくことをご留意ください。
●自治体や学校組織での運用を支える高いセキュリティ
FileVaultによるディスク暗号化、Touch IDによる認証、MDMによるリモートロックやワイプ機能など、Macは高いセキュリティ機能を標準搭載。万が一の紛失時でも、個人情報や校務データを守れます。
WindowsだけでなくMacを取り入れることで、iPadとの連携はしやすくなり、資料作成から授業実践までスムーズに進めることができます。
校務効率化の有力な選択肢と言えるでしょう。

③先進事例の紹介(岐阜市教育委員会 様)
岐阜市教育委員会では「教員用端末にMacBook」「生徒用端末にiPad」を配備し、授業と校務の両面でICT活用を推進しています。

- ●MacBook Air を校務端末として1,849台配備
- Windows一辺倒だった公立学校で、MacBook Airを大規模導入した大胆な取り組み。
- ●「授業のOS改革」を目指した戦略的選定
- GIGAスクール構想第2期に伴い、学びそのものを変えるためのツール刷新としてMacを選択したとの構えが印象的です。
- ●現場の教員からの高い評価
- 軽量で持ち運びやすく、バッテリーが長持ちし、起動も速いという携帯性の高さ。AirDrop等の共有機能で作業時間も大幅短縮。
こどもとIT:岐阜市、校務パソコンにMacBook Airを1,849台導入 刷新の理由を聞く
「Windowsに慣れてきたから今さらMacBookと言われても・・・」というご意見もあるかもしれません。しかし、岐阜市のように実際に導入した自治体や学校の先生方からは、校務が大幅に効率化されたという声が聞かれます。
まとめ
これまでのWindows環境の中に、新たにMacを取り入れてみませんか?
岐阜市の事例が示すように、児童・生徒iPad×教員Macの環境導入により、従来のICT活用の限界を超えた新しい教育の可能性が開かれます。
Apple独自の連携機能を最大限活用することで、教員は本来の「教える」ことにより集中しやすくなります。
iPad×Macで校務の効率化にチャレンジしてみませんか?
第2回は「先生はMac、生徒はiPad — 理想的なICT環境」ということで
今回紹介した連携機能を授業でどのように活かすかについて、より詳しく紹介する予定です。
この記事に関連する資料
こちらもおすすめ
-
次世代避雷システム「dinnteco」
落雷現象を“発生させない”構造で、学校キャンパスやグラウンドなど最大半径100mを1台でカバー、防護ゾーンを実現します。
-
【GIGAスクール2.0】基本パッケージ/応用パッケージのご紹介【iPad】
GIGAスクール構想2.0にiPadを導入することで、教育の質は飛躍的に向上します。直感的な操作性と豊富な教育アプリにより、生徒一人ひとりに合った個別最適化学習を実現できます。
-
学生必見!Mac?Windows?後悔しないパソコン選びのポイント
データやスペック傾向をもとに、学生パソコンとしてのMacとWindowsの違いを徹底比較し、あなたの学部や将来の目標に合わせた最適な選び方を解説していきます。